YAMAHA GC-10M サドル交換のご依頼

YAMAHA GC-10M サドル交換のご依頼です。


サドルを削られて上手く行かなかったということで交換を依頼されました。同時に弦高が高いので低くされたいと言うご要望もございました。

ネックコンディションの状態が順ゾリしていました。トラスロッドはありませんので調整となるとサドルを削るしかなく削れる範囲も限りがありました。クラシックギターとしての弦高としては若干、高めですが許容範囲には収まりました。更に低くするとなると指板を削るかネックリセットということになります。今回はしばらく弾いてみるということです。



1974年製のギターです。オール単板の作りでした。しばらく弾かれてなかった様子ですが弾き込めば音が出てくる感じがしました。ラベルに製作者のお名前が書かれています。加藤俊郎氏です。1974年当時、GC-30A という最上位モデルの開発をされた方です。GC-30A は側板・裏板がハカランダですが GC-10M はいわゆるローズウッドです。しかし、現在となってはローズウッド種のすべてがワシントン条約の制限下になってしまってますので貴重な材で作られていることにかわりありませんね。

こちらの依頼主様はいとこから譲られたと言うことです。こうしてリペアされて手にとって弾かれると前の持ち主様にもこのギターにも良いことをなさってると思います。またひとつ、貴重なギターが人の温もりで音を奏でることができました。

この度はリペアのご依頼をいただき誠にありがとうございました。
2023年01月10日