Fender CN-140SCE 弦高調整のご依頼

弦高調整と合わせてフレットの摺り合せのご依頼です。


調整内容(全体調整)

1.現状確認から始めます。(レギュラーチューニングにてネックコンディション、弦高、ナット溝の高さ、バズなど)

2.弦を緩めて状態の変化量を確認します。

3.次にトラスロッド調整をします。トラスロッドの状態が現状どのポジションなのかを確認し、先程の変化量からおおよそのポジションに調整します。

4.弦を張ってネックコンディションがフラットの状態か確認します。O.Kであれば弦を張った状態でフレットの摺り合せを行います。

5.フレットを成形(摺り合せした場合)、研磨します。(指板もかるく研磨してます。)

6.再度、バズ、ビビリ音、弦高を確認します。

7.ナット溝の状態を確認してサドル高さを調整し弦高を整えます。(弦高はお客様のご要望に合わせています。)

8.オクターブチューニングを行います。(エレキギターの場合、アコギは確認して余程であればサドルのあたり位置を調整します。)

9.ピックアップの高さ調整を行います。(エレキギターの場合)

10.電装品の状態確認(ガリなどがあれば接点復帰などを試みます)

11.しばらく休ませてから実際に弾いて確認します。

12.クリーニングします。(指板にはワックス&オイルを塗布してます。ボディーにはポリッシュしてます。)

以上が概ねの内容です。あとは気が付いたところがあれば行っています。

 

フィンガーピッキングをするので弦高を限界まで下げたいとうご要望でした。ガットギターですので弦の振幅が大きいこともあり弦高をさげていくとフレットの微少な凹凸がビビリ音を出してしまいますのでとても微妙な調整が必要です。更に半音下げでも演奏されるということでしたのでかなりシビアでした。現物を削り過ぎるとその時点で再製作になるので仮のサドルを使って試しながら高さを決めて対応しました。

このギターはナット巾が43mmでアコースティックギターと同様の演奏性です。ナイロン弦の場合、弦間が狭いと押し指に弦が触れやすくなりかなり指を立てて、気を使いますが、なぜかこのギターはそれほどでもなかったです。普通のアコギの感覚で演奏できました。これはちょっとした衝撃でした。Top板はソリッドのシダーでサイドはオバンコールだそうです。シダーの軽いねばりとオバンコールの丸味がナイロン弦のやさしさを引き出していていいかんじでした。

この度はリペアのご依頼をいただき誠にありがとうございました。

 

2022年11月10日