YAMAHA LS16 ARE 全体調整のご依頼

YAMAHA LS16 ARE 全体調整のご依頼です。


今回は弦高が高くて弾きにくいと言うご相談でした。ネックコンディションからトラスロッド調整、ナット、サドルの調整、フレット研磨、クリーニングを行いました。


YAMAHA アコースティックギターは現在、販売されている全モデルにA.R.E.(Acoustic Resonance Enhancement)という木材改質技術が施されています。(詳しくはメーカーのHPを参照下さい。)

「ビンテージ」よく耳にします。ジーンズでは米国メーカーの「501XX」大戦モデルとか1947モデルとかあります。個人的には66モデルの細めのデザインが好きです。復刻版なんかも出ています。国産レプリカメーカーの生地、縫製、デザインの質感がとても高く好きで穿いてます。旧式力織機で織り上げた生地が味わいのある色落ちをかもし出します。タテ落ちとかヒゲ、ハチノス、カッパリング、サイドシームのアタリとか十人十色で「ジーンズを育てる」なんて言われています。

ギターも「ビンテージギター」があります。「ビンテージの枯れた音」よく言われます。木材の主成分はセルロースが50%、ヘミセルロースが20~30%、リグニンが20%~30%です。セルロースは骨格でヘミセルロースは繊維、リグニンはセルロースとヘミセルロースを結びつける接着材のようなものです。ギターを長年弾き込んでボディーに振動を与えることでヘミセルロースの分解が進みます。それによりリグニンとの境に隙間が出来てきます。その為たわみやすくなってきます。それにより音の伝達速度を高めます。同じようにセルロースへ振動を与えることで結晶化が進みます。これは弾性率の向上になります。もとに戻ろうとする性質が向上するというです。つまりは音の立ち上がりを速くするということになります。と言うのが「枯れた音」のうんちくです。ギターを弾き込んで「音を育てる」、弾き方も十人十色ですので同じギターはない、唯一無二ということになりますね。

A.R.E.とは長年弾き込まれたギターのような豊かな鳴りを実現した技術です。実際、聞いてみると感じることが出来ます。気持ちの良いいつまでも弾いていたい心地よさがあります。一度、試奏されてもいいと思います。

あまり難しく考えずに、とにかくギターと向き合って弾き込んでいるといつか自然になんとなく感じるものがあります。「なんかいいなぁ」と感じるものがあります。ビンテージギターでもNew Bornギターでもあります。理屈ではない感情の動きをギターにもらってます。とても大切なものだと思います。

この度はリペアのご依頼をいただき誠にありがとうございました。

2023年01月19日