YAMAHA L-41 フレット摺り合せのご依頼
1980年代初期に作られたギターです。ラベルにテーリー・中本氏のサインがあります。
フレットの摺り合せはネックコンディションがポイントです。いわゆる「ソリ」です。順ゾリとか逆ゾリって言ってるそれです。
ボディー形状はウエスタンタイプ(YAMAHAの呼称)と言ってつまりはドレッドノートです。
Martin D-42 を意識されてるように見えますが「41」です。
表板:Solid エゾ松 裏板&側板:Solid インディアンローズウッド
とても希少なギターのようです。なかなか市場には出回らないということです。ジャパン・ビンテージの部類ですね。「類は友を呼ぶ」ということわざがありますが、当工房にも同じ「L-41」があります。古い親友のものですが、友人宅の押し入れから解放されています。
不思議といって騒ぐほどでもありませんが、同じ「L-41」でもネックのシェイプが違ってました。こちらのお客様のシェイプは「LOW PROFILE」いわゆるカマボコ形状ですが、工房に飾ってあるギターは Vシェイプ です。なかなか面白いです。「ハンドメイド」感があふれています。シリアルナンバーの差は114台。なぜそうなってるのか?計り知れませんがなんとなくそのときの勢いとかそういったゆるい感じの理由であってほしいです。日本を代表する大手楽器メーカーといえども当時はゴリゴリの規格管理の元で製造されていたわけでもなかったのかもしれませんね。
1980年代初頭、円高により内需拡大への政策、そしてバブル経済の到来と破裂、消費税導入。ニューミュージックからシティーポップへの変革。ベルリンの壁の崩壊、ユーロビートの波及などがあった影響か?どうか?しりませんがアコースティックギターが下火と言われる時代へ突入していくころです。
しかしながら、これより数年後、イギリス出身の著名なギタリストが「アンプラグド」と称して行ったライブが新しい風をふかせてくれました。
この度はリペアのご依頼をいただき誠にありがとうございました。