Morris M-50 全体調整のご依頼
80年代に作られたギターです。サイド・バック材に美しい模様のハカランダ材が使われています。当時のカタログのキャッチコーピーには「ベーシックなスペックながら、ワンランク上の完成度。弾き応え確かなスタンダード。」と書かれていました。
全体調整のご依頼です。
サイド・バック材において最高級とされる「ブラジリアン・ローズ・ウッド」(別称「ハカランダ」はスペイン語)。16世紀ぐらいから楽器作りに用いられるようになったようです。戦前や19世紀には狂いの少ない柾目で作られていましたが、材の確保が難しくなり板目で作られたものが多くなりました。楽器の他、家具などにも使用されていました。自動車のインパネにも使われていたようです。幻の名車「TOYOTA 2000GT」にも使われています。木目の様子からブラジリアンまたはホンジャラス、マダカスカルのようです。この車はエンジン開発をヤマハ発動機と共同で行われました。1960年代後半のことです。ターンシグナル・スイッチがYAMAHAのエレクトーン用スイッチを流用していたなどYAMAHAの楽器製造技術が使われていたという記事もあります。インパネからシフトのコンソールまでふんだんに使われています。実車は愛知県長久手市にあるトヨタ博物館でご覧になれます。
この度はリペアのご依頼をいただき誠にありがとうございました。