YAMAHA LA-37 リフレットのご依頼
リフレットのリペア依頼です。弦高も低くし同時にナットとサドルも交換する内容です。
弦髙が6弦12フレットで3.4mm、1弦12フレットで2.7mmありかなり高い状態です。サドルはこれ以上削れないので指板を削ることでサドル高さを確保して弦高を下げる方針でリペアを進めることにしました。
指板をナット方向へ向けてねじれを取りながらテーパーをつけて削っていきます。
ここで指板についてですが、指板の材料には概ねエボニー(黒檀)やローズウッド(紫檀)が使われています。指板表面に黒く着色を施してエボニー風にされているものもあります。このギターがそうでした。黒檀に縞が入っています。なかなか綺麗な縞模様です。おそらくマッカサーエボニーと呼ばれているものだと思います。遠目にはわからないぐらいの色合いでなんかいい感じなので再着色はしないという方向で進めることになりました。
下の画像でははっきりと縞が見えますがこの後オレンジオイルで保湿しフィーディンワックスを数回塗り重ねるといい感じになりました。
指板を削ることによりネックの厚みが若干、薄くなります。今回は0フレットで1mm薄くなります。Lowコードを押さえたときにわかります。支障は全くありません。よほどの拘りがあれば別ですが、一般的には問題ありません。ちょっと薄めのネックと言った感じです。
仕上がりの弦高は6弦12フレットで2.5mm、1弦12フレツトで1.5mmです。ネックコンディションはトラスロッドが現在、ニュートラル状態でほぼ真っ平らです。今後、多少ネックが反ってきてもトラスロッドで充分、対応可能です。
このギターは1980年代前半頃に作られたものです。ラベルにはテーリー中本氏のサインが入っています。トップはスプールス、サイド、バックはローズウッドのオール単板仕様です。粒立ちがはっきりしていてとても張りのある音色です。ストロークではいい感じの低音の胴鳴りがします。ドンシャリと言った感じではなくバランスのいい鳴りです。指で弾いてもこもることはなくいい感じです。ピックアップを搭載してどんな感じになるのか?追求したいなぁ~とくすぐられます。
この度はリペアのご依頼をいただき誠にありがとうございました。
オーナー様のご厚意によりこのギターはしばらく、当工房のマスコットにさせていただくこととなりました。もっと弾き込んで音を出してほしいと言うことで試奏許可もいただいてます。興味のある方はご遠慮なくお越しください。