Morris ME-101 ナット交換のご依頼

ナット、サドル、ブリッジピンにTUSQ(人工象牙)材を使い、ポジションマーク、バック・ブレーシングにラダー・ブレーシングを採用するなど拘りの詰まったギターです。


1弦と2弦のローポジションでビビリが出るということでした。順ゾリが大きく出て弦高が高くなりナットのミゾを深くすることで対処されたみたいです。

適正なミゾ深さのナットに交換しました。今回はTUSQ(人工象牙)材で作りました。先ずは、ネックコンディションを調整して、その後にサドル高さを調整します。


ナットのミゾ深さはとても重要なポイントです。浅すぎると弦高が高くなり、押さづらく又ピッチが合わなかったりもします。深すぎるとネックの動きでローポジションでビビリ音が出たりします。(ネックの動き?については後日また別の記事で説明します。)

ではどの深さが適切?ということですが測定箇所は3フレットを押さえてそのときの1フレットの頂点と弦の下弦の間隔です。この隙間が0.1mm程度です。この状態の深さはミゾ底面とミゾ直下の指板面からの寸法が1.13mm程度になります。この程度であればネックが動いてもローポジでビビリ音がでたりもしません。これより高いとちょっと弾きにくかったりします。ナットのクオリティーはミゾ深さも重要ですが弦間隔やミゾの向き(左右、上下方向)なども重要です。

この度はリペアのご依頼をいただき誠にありがとうございました。

2024年03月30日