YAMAHA L-10 リフレットのご依頼


リフレット及びナット、サドル交換のご依頼です。

フレットは消耗して、ところどころくぼんでいました。ビビリ音やバズ音はありませんが交換時期です。かなり弾き込まれていることがわかります。

サドルは僅かにブリッジから出ている程度で本来の響きは出ていない感じがしました。弦高を下げる為にサドルを削られたようです。

トラスロッドをほぼニュートラルの状態(ロッドが効き始めるところです)にしてから調整を行います。この状態でほとんどのギターはわずかに順ゾリしています。

指板のねじれを除きつつ0フレット側にテーパーをかけて順ゾリをなくす様に研磨します。そうすることでナット位置が下がります。逆にサドルは高くなります。ギターによってネックの状態が異なりますので個体差はでます。むやみに削れないので様子を見ながら研磨していきます。サドル高さが高くなることで弦のテンションが上がります。それにより音響を良くしようという目的です。

サドル高はブリッジから出ている高さが 1弦:1.0mm→1.5mm 6弦:1.2mm→3.5mmに上げることができました。

弦高は 1弦12フレット:2.5mm→2.0mm 6弦12フレット:3.0mm→2.5mmに下げることが出来ました。

音質は低音の響きが出て高音も張りが出てとてもいい感じです。

 

 

YAMAHA L-10 前期タイプと言われているギターです。バック・サイドの模様からハカランダが使われていると思います。ボディー形状はマーティンのドレッドノートタイプにちかいです。現状のLシリーズとは異なりますね。とても貴重なギターですね。

久しぶりに鳴り響くギターに出会いました。とにかく出音が大きいです。ドーンと言った感じです。特に低音は野太いという表現になりますね。

70年代後半から80年代初め頃、現在のように高性能なピックアッピはまだなかった頃ですね。LIVEではマイクから生音を拾っていたので出音を稼ぐのに弦高も高かったのかもしれませんね。

この度はリペアのご依頼をいただき誠にありがとうござました。

2022年08月13日