ギターに触れてみよう!第2弾 サウンドポートって何?


最近、話題のサウドポート(サイド・サウンドポート)って何?雑誌とかで取材されていてなんとなく意味はわかりましたが実際に音を聞いてみないことにはなんともねー。って思っていました。楽器店にもいくつか展示されてますので試奏させてもらえばそれでも良いのですが。そこはギター工房ですので実際に開けてみることにしました。

結論から先に言いますと。まず低音の響きの違いがわかります。指弾きでも音の響きや伸びが気持ちいいです。ピックでストロークをガンガン弾くと「ごっー」とうなりというかうねりが聞えます。高音、中音も違いがわかります。ギターの個体差もあると思いますが。

通常、アコースティックギターには大きな穴がトップ板(表側)に開いていますね。この穴をサウンドホールと言います。その為、音は前面に出ていきます。演奏者には前面に出ている音とは少し異なる音色が聞えています。そこで演奏者に近いサイド板(側面)に穴を開けて前面に出ている音に近い音を聞えるようにと言う目的で1980年代前半頃から試作されていたようです。そのあたりの詳しくはアコーステックギターマガジンVol.92号を参照ください。

今回のギターはYAMAHA LL6 です。LL Series では最も廉価版ですが、表板がイングルマンスプールス単板でA.R.E処理が施されいます。裏・側板はローズウッドの合板です。いきなり単板に穴を開けるのもいかがなものかなぁと思い、合板仕様のギターを探していました。申し分ないギターが近くの中古ショップにありました。ネックコンディションがちょっと?って感じで弾きにくい状態でフレットもまぁまぁ凹みがありました。その辺りも含めて取り掛かることにしました。

先ずは、リフレットを考えましたがフレットを抜くついでにポジションマークを変えることにしました。ペグも頂き物ですがGOTOHのSG301に変えました。ナットとサドルも新しく交換しました。・サウンドポートの追加工 ・フレット交換 ・ナット交換 ・サドル交換 ・ポジションマークの変更 ・ペグ交換 といろいろ施しました。なかなか良い感じです。ペグの形状がロックテイストを感じて気に入ってます。ポジションマークもグレードが上がりました。もともとピエゾのパッシブピックアップが内蔵されてました。ローズウッドの柔らかいところの音色がよく伸びてます。イングルマンスプールスの特性かもしれませんね。A.R.E処理もされており響きに巾が感じられます。これはちょっとしばらくハマりそうです。


サウンドポートの形状は楕円にしてみました。先ずは無難な形状から試作しました。
改造の手順は
  • 1. CADを使って楕円を描き、実寸形状にプリントアウトします。テンプレートです。
  • 2. ギターを演奏する状態に抱えて左右の耳の間のセンターを位置決めします。
  • 3. 楕円の縦方向中心とボデイー側板の上下の中間位置を耳間のセンターに合わせます。
  • 4. ステック糊を使ってテンプレートをボディーに貼り付けます。
  • 5. φ8mmのドリルで楕円の円周の内側に沿って数ヶ所の穴を開けます。
  • 6. のこぎりを使って穴と穴を切り離します。
  • 7. 円柱上の棒にサンドペーパーを貼り付けて穴を成形します。
  • 8. サンドペーパーの番手は#120→#240→#320と目を細かくしていきます。
  • 9. テンプレートを剥がします。
  • 10. 切断面にオイルジェルを塗布します。乾燥後#600サンドペーパーで磨きます。
  • 11. オイルジェルの塗布と磨きを数回、繰り返します。
  • 12. 仕上げは#1000→#1500→#2000と番手を上げて磨きます。
  • 完成です。

このギターを試奏できます。南砺市高儀にある古民家カフェ「一福」さんに置かせてもらってます。ご自由に手にとって触れてみて下さい。

「一福」さんへはこちらです。↓


お薦めのランチです。素材が活かされてます。おいいしいですよ。

2022年09月15日